竹刀造り体験    P2


   
  静岡大学教育学部附属中学校の先生から、平成17年暮れに電話があり、「匠ーものつくりから日本の文化を探ろう」と言うテーマで毎年体験学習を実施している行事に、山口氏の竹刀造りを生徒たちが選び、是非にとの申し出がありました。


 昨今のこと故、万一事故でもあった場合には!とお断りしたのですが、生徒達からの再度の要請に特別に受け入れる事にしました。


とはいうものの当日は怪我や万一の事態も考慮し、腕カバ−や足袋、刃物、前掛けに至るまで用意して心配しながら生徒の到着を待ちました。







    山口氏を囲んで、一日弟子入りの中学生諸君の勇姿
 左
  おっかなびっくり
  で小刀を使う若者達
  

  おそらく「鉛筆」も
  小刀で削ると言う
  経験すらない現在、
  万一怪我でも!と
  思うと不安。


  滑る竹を糸で縛る4  銃士、未経験だけに  大変。
 想像以上のしっかりした若者達で、過去の職人志望の若者や、最近の無気力なニートとは縁遠く、午後3時近くまで食事も取らず熱心に取り組む様子に好感が持て、最後の画竜点睛とも言うべき完成した竹刀に個人名を彫刻する真剣な様子に、彼ら全員から成し遂げた喜びが伝わってきました。 
 
 ひたすら真剣に銘を入れる。


右  「山口師匠」!を中心に記念撮影。 完成した竹刀を手にした彼らの充実した顔から日本の将来が見える
 

我々も今まで「剣道は日本の文化」、「後継者育成」「剣道人口の増大を」「剣道こそが日本の将来に役立ちーーー」等、同じ事を何ら進歩なく、百年一日の如く並び立てていました。  が、

今回の出来事で、製造技術や文化としての伝承方法、そして剣道への興味の湧かせ方を、違った目線で捕らえるよう逆に生徒達に教えられたようで、まさに目から鱗、と言った状態です。

このような若者がいる日本の将来はまだまだ大丈夫と期待が持て、安心と共に実行した甲斐いがありました。

ひたむきな彼らに感謝いたします。